兵庫県では令和8年度、商店街・小売市場の空き店舗への新規出店を支援する「商店街新規出店促進事業」を実施しており、その中に「商店街新規出店チャレンジ応援事業(商店街新規出店費用助成事業)」が位置付けられています。申請窓口で用いられている補助金の正式名称は「商店街新規出店チャレンジ応援事業補助金」です。県の案内ページは2026年5月8日に更新されており、8月に新しく始まった制度という位置付けではありません。県の補助だけで完結せず、出店先の市町による補助が必要になる点が重要です。対象者、対象経費、補助率、申請前に確認したい順序を、2026年8月31日時点の公式情報に基づいて整理しておきましょう。
正式名称と令和8年度の制度概要
対象は、兵庫県内の商店街・小売市場にある空き店舗へ新たに出店・開業する創業予定者、または中小企業基本法に定める中小企業者です。出店後は速やかに商店街団体へ加入し、組合員として団体活動に参加することが要件とされています。
制度の目的は、空き店舗を活用した新規開業を支援することです。対象となる空き店舗は、原則として商店街の範囲内にあり、前の事業者が撤退した後に営業が行われていない店舗である必要があります。市町によっては、3か月以上空き店舗であることなどの追加条件があります。開業希望者本人や一定の近親者などが所有する店舗も原則対象外です。候補物件が要件を満たすか、市町と商店街団体へ確認しましょう。
対象者は創業予定者または中小企業基本法に定める中小企業者です。社会福祉法人、医療法人、NPO法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人、農事組合法人、商店街振興組合、協同組合、任意団体などは対象外とされています。
補助率と上限額は市町補助とセットで確認
| 確認項目 | 令和8年度の基本内容 |
|---|---|
| 県の補助率 | 補助対象経費の6分の1以内 |
| 市町の補助 | 別途、6分の1以上の随伴補助が必要 |
| 県の補助限度額 | 75万円。ただし、市町の補助額が上限 |
| 補助期間 | 交付決定日から2027年3月31日まで |
「最大75万円」は、県から一律に75万円が交付されるという意味ではありません。補助対象経費、市町の補助額、審査結果によって実際の交付額は変わります。また、補助期間の終期は申請期限と同じ意味ではないため、受付状況や市町側の期限を個別に確認する必要があります。
県の「テナントミックス計画策定費用等助成事業」を活用して誘致計画を策定した商店街へ出店する場合は、県・市町を合わせた補助率の加算制度があります。県の案内では、加算要件を満たす場合の県補助限度額は112万5,000円です。加算部分にも市町の随伴補助が必要なため、出店先だけで判断せず市町窓口へ確認しましょう。
対象経費は賃借料・内装工事費・ファサード整備費
公式案内で示されている主な対象経費は、店舗賃借料、内装工事費、ファサード(正面外装)整備費です。一方、管理費、駐車場代、共益費、光熱水費、敷金、礼金、保証金、仲介手数料、消費税・地方消費税は対象外です。什器備品、独立した看板、必要以上に高価な設備なども対象外となる場合があります。対象期間、発注・契約・支払いの時期、見積書や証拠書類を申請前に確認しましょう。
内装工事は、交付決定前に契約すると補助対象外です。賃貸借契約を交付決定前に締結した場合も、補助対象になるのは交付決定日以降の賃料に限られます。物件申込み、賃貸借契約、内装工事の発注、営業開始の予定日を時系列で整理し、契約や発注の前に窓口へ確認しましょう。
市町への申請後、ひょうご産業活性化センターへ申請
ひょうご産業活性化センターの案内では、同センターへ申請する前に、出店先の商店街・小売市場が所在する市町へ、空き店舗活用関係の補助金・助成金等を申請する必要があるとされています。事業計画の提出から交付決定までは1~2か月程度が目安です。まず候補物件の所在地を確定し、市町の担当窓口へ制度の有無、受付期間、予算状況、必要書類を確認しましょう。
- 候補物件が対象となる商店街・小売市場内の空き店舗か確認する
- 出店先の市町へ随伴補助の制度と受付状況を確認する
- 商店街団体への加入条件と活動内容を確認する
- 賃貸借契約・工事発注・開業日と申請時期の関係を確認する
- 市町への申請後、ひょうご産業活性化センターの必要書類を準備する
テナント選びでは補助金以外の事業条件も確認
本制度は初期費用の一部を支援するものであり、出店後の売上や商店街の集客、空室解消、賃料収入を保証するものではありません。制度の実施だけを根拠に「人流が増える」「賃料が安定する」「空室率が下がる」と判断することは避ける必要があります。
物件を比較するときは、補助対象の可否に加えて、用途地域、業種制限、営業時間、電気容量、給排水、ガス、換気、看板設置、原状回復、商店街活動の負担などを確認しましょう。補助金を利用できても、事業に必要な設備や契約条件が合わなければ、開業後の追加費用が大きくなる可能性があります。
出店予定者と物件オーナーの確認点
補助金は事業完了後の精算払いで、交付は翌年度5月ごろが目安と案内されています。出店予定者は一時的に事業費全額を支払える資金を確保したうえで、補助対象経費と自己負担額を分けた資金計画を作り、補助金が想定どおり交付されない場合にも開業を継続できるか確認しておくことが大切です。物件オーナーや募集担当者は、対象区域、商店街団体への加入、工事承諾、引渡し時期について説明できる資料を整えると、出店予定者が窓口へ相談しやすくなります。
制度内容や受付状況は変更される可能性があります。契約や工事を確定する前に、出店先の市町、商店街団体、公益財団法人ひょうご産業活性化センターへ最新情報を確認してください。
出典・参考資料
- 商店街新規出店チャレンジ応援事業補助金/公益財団法人ひょうご産業活性化センター/2026年8月31日確認
- 商店街新規出店促進事業/兵庫県/2026年5月8日更新、2026年8月31日確認
- 商店街新規出店チャレンジ応援事業補助金の申請について(よくある質問・令和8年度版)/公益財団法人ひょうご産業活性化センター/2026年4月1日版、2026年8月31日確認
まとめ
令和8年度の商店街新規出店チャレンジ応援事業は、商店街・小売市場の空き店舗へ出店する創業予定者や中小企業者を対象に、賃借料や内装工事費などの一部を支援する制度です。県の補助を利用するには市町の随伴補助が必要で、県の上限額も市町補助額の範囲内となります。賃貸借契約を交付決定前に締結できるかは市町の制度によって異なりますが、内装工事契約はひょうご産業活性化センターの交付決定後が原則です。契約や発注の前に市町と同センターへ確認しましょう。








